相続対策で生前贈与するのはよいが

生前贈与をする事案はときどき経験します。

 

他方で、最近、生前贈与した自宅に長女夫婦と同居していた老人夫婦が、その自宅を出ていかなければならなくなった事案に出くわしました。

 

これらの事案を参考にして、次のようなフィクションを作成してみました。

 Aは、62歳のとき、自宅を建て替えて、二世帯住宅にしました。建築資金は、Aと長女の夫Eとが折半して負担しました。建物の登記名義もA・E共有(2分の1ずつ)です。1階にA・B夫婦が住み、2階に長女Cの家族が住みます。

 

Aは、65歳で会社をリタイアしました。時間ができたので、自分が亡くなった後のことを考えるようになりました。相続関係の本を読んだり、妻と話し合ったりします。

 

推定相続人は、妻B、長女C、長男Dの3人。主な資産は、自宅(土地・建物)と預貯金。妻Bは、長女Cと気が合うので、夫が亡くなった後も、長女Cの側で、穏やかに生活したいと希望します。ただ、マスコミなどで遺産分割協議が紛糾した事例を見聞きすると、夫が死亡した後のことが心配になります。

 

Aは、67歳のとき、妻Bと相談して、長女Cに対し自宅(土地・建物)を生前贈与しました。長女Cはとても喜んでくれましたが、その生前贈与のせいか、A・B夫婦は、長男Dの家族と疎遠になってしまいました。

 

A・B夫婦は、何事もなく、老後の生活を送っていたが、Aが76歳になったとき、長女Cが、病気で突然亡くなりました。

 

亡Cの相続人(夫Eとその長男G)の遺産分割協議により、自宅土地はEが相続し、自宅建物の持分はGが相続しました。

 

Gは、賃貸マンションに住んでいるが、経済的に苦しいので、家族を連れて、自宅に引っ越してきたいと言い出します。話し合いの結果、A・B夫婦は、不承不承、市の高齢者向賃貸住宅に引っ越すことになりました。疎遠な長男Dは頼りになりませんでした。

 

長女Cとの間では、A・Bが亡くなるまで、自宅に住み続けるという約束がありましたが、相続人のEやGには、そのような約束は通用しなかったようです。

 

自宅について権利をもっているGが家賃で苦しんでいるのに、無権利者であるA・Bが住み続けるのは不合理だという主張です。

Aの相続対策は、関係者が年の順に亡くなれば、A・B夫婦が自宅を追い出されるという結果にならなかったでしょう。

 

あるリスク(例えば、遺産分割協議の紛糾、相続税が多額、など)を回避するための方策を講じたために、逆に大きなリスクを負担することになったということがあります。具体的な対策を実施する場合には、事前にきちんとリスク分析をすべきと考えます。

 

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