西村則康『中学受験は親が9割』

先日、中学受験に関する検討の参考にしようと、稲荷誠『頭のいい子には中学受験をさせるな: 「灘」を超える、東大合格のメソッド』を読んでみましたが、引き続き、次の本を読んでみました。

 

西村則康『中学受験は親が9割』(青春出版社、2014年)

 

著者は、家庭教師会社を経営し、「塾ソムリエ」を自称しているようです。本書は、とても読みやすく、その内容は、自分の経験からしても、納得できる点が多い。中学受験の手引書的な本だと思いました。

 

以下に、本書を読んで印象に残った事項を記してみます。

 小学校1、2年生のときには方針を決め、その後は家庭でも中学受験の基礎となる能力や学力を高める努力を意識的に毎日続け、3年生の後半には入塾テストを受け、4年生になる直前の2月から塾に通う、というスケジュールが理想的だ。

 

合否を決めるのは、子どもの持つ潜在的なポテンシャルが1割、残りは親の仕事なのだ。

 

勘やひらめき、暗記力などではなく、きちんと問題文を読み解く力、そこから論理的に思考を進めていく力が、今の中学入試では求められている。

 

覚悟なしに中学受験を始めてはいけない。よかれと思って始めた中学受験が原因で子どもが体や心をこわしたり、夫婦関係、親子関係が歪んでしまったりするようなことだけは避けて欲しい。

 

基本的に進学塾のカリキュラムは、「最上位の子ども」を対象としている。塾がもっと大切にするのは、入塾者の上位10%の子どもたち。下位のクラスは、「生徒」というよりは「お客さん」という扱いになってしまうことが多い。

 

学校の授業が完璧に理解でき、いつもテストが満点でも、入塾テストで上位になれるわけではない。進学塾の上位クラスにすべり込むためには「入塾試験対策」が必要。複数の入塾テストを受けて、一番上のクラスに入れる塾を選ぶのがよい。

 

知識や理解の深さは中学受験を乗り越えてきた子どものほうが上であることは、動かしがたい事実である。直接的な学習内容以外でも、中学受験の勉強で身につけた時間の使い方はもちろん、集中力の保ち方、モチベーションの上げ方、問題文を精読する力、ミスをチェックする力などは、一度身につければ、一生ものの財産である。

 

子どもの「塾に行きたい」という言葉を信じてはならない。中学受験、それにともなう塾というのは、「子どもの自主性」にまかせるべきものではなく、家庭の方針で決めることである。

 

お父さん、お母さん、そして子どもが「3人4脚」で中学入試に臨むことができれば、それ非常に強い家族の絆をつくることにもなる。

         

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